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『風の電話』 ~Berlinale 2020~

更新しそびれているうちに今日は311日。

東日本大震災から今日で9年。

その震災で家族を失った少女のロードムービー的映画を鑑賞したことを書きます。

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ベルリンでは毎年2月に国際映画祭が開催されます。

日本の映画も毎年何本か上映されるので楽しみにしていますが、2月の初旬に冬休みがあり、バタバタとしているうちに映画祭が始まってしまっていました。

かざぐるま作りワークショップに参加した翌日に日曜日に、出遅れた!と慌ててプログラムをチェックし、『風の電話』という邦画を見たいなーとスケジュールを見ていると、上映がその日の夜と後は平日の夜のみ。

しかも平日は日本語補習校やクマさんの出張と重なっていて無理!と慌ててその日に私1人で観に行かせてもらうことにしました。

『風の電話』 ~Berlinale 2020~_e0371304_19321590.jpg
岩手県の大槌町の実在する電話をモチーフにした映画でしたが風の電話が登場するのはラストで、8年前の震災で家族を失い広島の叔母と暮らす高校生の少女が、叔母が倒れ、また自分の身近な人がいなくなるという不安にかられたことから震災以降一度も訪れていなかった故郷を目指すというストーリーでした。
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(↑写真はcinemacafe.netより)

監督と主演のモトーラ世理奈さんと、叔母さん役の渡辺真起子さんが上映前に壇上に登場!

舞台挨拶があると思っていなかったので驚きました。

監督が「耳を澄ますという表現がありますが、主人公のハルは映画の中であまり話しませんが、耳を澄まして彼女の心の声を聞いてください」と。

『風の電話』 ~Berlinale 2020~_e0371304_19321532.jpg
実際ハルは言葉少なく、展開の速いドラマに慣れてしまっているせいか暗く長いと感じてしまう部分もありましたが、ドラマではなく映画なのでこういう映画も良いのかなぁとも思いました。

主人公の少女ハルが故郷を目指す中で出会う人々とのエピソードに、広島での被爆の話があったり、日本に来た難民家族の話があったり、福島第一原発で働いていた方の心の傷みがあったり、変わり果ててしまった故郷を想う人の気持ちがあったり、描かれていることが多くとても考えさせられる映画でした。

『風の電話』 ~Berlinale 2020~_e0371304_19321552.jpg
ベルリン国際映画祭の特徴の1つでもあるのですが、映画鑑賞後にQ&Aの時間があり、司会者からの質問の後、一般の観客も質問できます。

映画が終わったのが22時半と遅かったですが、そこからまた1時間近く監督も演者さんも質問のしっかり答えてくれました。

監督さんもおっしゃっていましたが、日本は世界でも唯一の被爆国でありながら原発を持ち、そして甚大な事故を起こし未だに収束できずにいるのに原発を放棄しない国ということで、世界から奇異の目で見られても不思議ではないとつくづく思いました。


こちらの映画はベルリン国際映画祭で国際審査員特別賞を受賞したそうです。

おめでとうございます!!!



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by kumafamilie | 2020-03-11 20:00 | イベント | Comments(2)
Commented by himekagura at 2020-03-13 00:10 x
大槌町の電話、以前ドキュメンタリー番組で見た事があります。
こんな映画があるんですね。是非見てみたいなあと思います。ご紹介ありがとうございます。
Commented by kumafamilie at 2020-03-17 23:15
☆himekaguraさん
この電話は震災より前からあったそうですが、震災後は3万人もの方が訪れているとのことでした。
他には『Minamata』の上映もあり、ジョニー・デップが舞台挨拶に来たそうです。日本での上映はまだでしょうか?
日本では『Fukushima 50』が上映中でしょうか? 機会があれば私も観てみたいです。
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